
設備機器
ビルトインの食洗機のメリット・デメリットと後付けする方法と注意点
公開日:2020年07月10日

ビルトインタイプの食洗機のメリット
造り付けなので、システムキッチンと一体感がある

作り付けで、システムキッチンに埋め込まれるので、無駄な凹凸もなく一体感があります。食洗機の扉もシステムキッチンの色と合わせられるもあるので、色合いなどの見た目的にも一体感を出すことが出来ます。
市販の食洗機の様に卓上でないので、キッチンのワークトップスペースが狭くならない
市販の食洗機では、給水と排水を接続するためにもキッチンに隣接させなければなりませんので、必然的にキッチンのワークトップスペースに設置することになります。
ですが、ビルトインタイプであれば、システムキッチンに埋め込まれる形になるので、ワークトップスペースが占領される心配がなく、ワークトップスペースは調理の為のスペース等に問題なく利用することが出来ます。あと、ワークトップスペース上に卓上のような常に設置されるものが無いので、清掃も容易です。
食洗機の排水はシンクに出ず、専用の配管で排水されるので、シンクが汚れない
市販の食洗機はシンクに排水をそのまま排水するのですが、ビルトインタイプの物は、食洗機用の排水管を設けるので、食洗機の排水によってシンクが汚れる心配はありません。また、食洗機からの排水の臭いが上がってくる心配もありません。
ビルトインタイプの食洗機のデメリット
キッチン下の収納スペースが奪われる
システムキッチンに埋め込まれるので、キッチン下の収納スペースが食洗機の大きさ分収納スペースが減ってしまいます。
キッチンの収納スペースを減らさずにビルトインタイプの食洗機を設置することは不可能ですので、収納スペースが足りなければ、カップボード等で他に収納するスペースを確保するしかありません。
排気の吹き出し口がワークスペース側にある為、使用中は真正面に立つと熱い
乾燥中など熱風を使用して乾燥させるので、食洗機の排気の吹き出し口から熱風が出てきます。
ビルトインタイプの排気の吹き出し口は正面しか排気口を設けられる面がないので、食洗機が運転中に食洗機の真正面に立つと体に熱風が当たり、熱いです。
設置する場所を、ワークトップスペースの調理スペースの下を避けると食洗機を使用しながら他の作業がしやすくなります。
キッチン下のスペースに入る為、サイズに限界がある
システムキッチンに埋め込まれるので、特に奥行きがシステムキッチンの大きさに左右されます。横幅もシステムキッチンの骨組みによっては、大きくできないものが多いので、大きさを求めるのであれば市販の食洗機の方が大きいものがあります。
頻繁に使用しないと排水の封水が切れて排水の悪臭が上がってきやすい
一般的に排水からの虫害や防臭の為に封水が設けられ、一定量の水が排水トラップの中に溜まっているのですが、食洗機にも同じように排水トラップがあります。その封水ですが、乾燥時に熱風を使用する為、封水の水が蒸発しやすく、封水が切れやすくなっています。
特に夏場は、使用していない状態でも封水の水が蒸発しやすい環境ですので、注意が必要です。
悪臭の原因だけでなく、排水管から虫が上がってくるリスクもあるので、使用しない日が続く場合は定期的に水を流すなどの対策が必要です。
故障したときに同じ型のものがない場合がある
ビルトインタイプの食洗機は一般的に受注生産品でシステムキッチンの仕様が変わると、同じタイミングでビルトインタイプの食洗機もモデルチェンジします。
その際、今までの物は廃盤になっていしまいますので、故障時の部品などが取り寄せられることが出来なくなってしまうリスクがあります。
後付する方法は、シンク下や台下の収納を撤去、改造して設置する
システムキッチンにビルトインタイプの食洗機を後付けする方法としては、今あるシンク下や台下の収納スペースを撤去・改造してビルトインタイプの食洗機を設置するスペースを作らなければ、設置する場所がありません。また、食洗機に必要な専用電源や給排水を取り付け位置まで配線、配管する必要があるので、工事範囲はキッチンのみにはならないので、食洗機本体と取付施工費以外にも必要な費用がかかります。
施工店によっては、経験したことがない場合や、補償問題等で施工しないと言う会社もあるので、あらかじめ施工店に確認が必要です。
システムキッチンを改造して後付けする施工を得意としている施工店もあり、実績が多い会社の方が話もスムーズですし要望を実現しやすく、手慣れている分、他の会社より安い場合があるので、そういった施工店を選定することをお勧めします。
ビルトインタイプの食洗機を後付けする際の注意点
メーカー工事でないとキッチン本体のメーカー保証が適用外になる
システムキッチンは、基本的にメーカー施工で取付しますので、取付と商品の保証をメーカーがしてくれるのですが、他の施工店が施工したり、DIYで改造したりすると、保証適用期間内でもメーカーは保証できなくなってしまいます。
施工店が下請けとしてメーカーを入れて施工すれば、メーカーが保証してくれる場合があるので、保証のことが気になる方は、この方法をお勧めします。
造作工事や電気工事、水道工事が必要なので、DIYではほぼ不可能
システムキッチンにビルトインタイプの食洗機を設置することは、専門知識や技能が多く必要なので、DIYでするには、現実的ではありません。
厳密に言えば、配線するには電気工事士の資格が要りますし、給排水の配管をするには、配管技能の知識が必要です。また、DIYを行ったことが原因で、漏電や漏水などが起こった場合、瑕疵担保責任が本人にかかってくるので、実費で修理するしかありません。もちろん保険は適用外になります。
また、電気工事は感電のリスクもあり、一般コンセントの100Vの倍の電圧の200Vを食洗機まで配線しなければならないので、専用工具などを揃えなければならないなど、予想以上に出費するものが多いので、専門業者にお任せすることをお勧めします。
品番やサイズがきっちり合わなければ取り付けが不可能
システムキッチンの下部に埋め込む形になるので、大きさはシステムキッチンに大きく左右されてしまいます。特に奥行きはシステムキッチンの奥行き以上の物を取り付けることは不可能です。
また、メーカーも定期的にモデルチェンジしますので、品番が変わり、ビルトインタイプの食洗機と相性が悪く、取付できないものもあります。また、システムキッチンを改造する際に、強度的に骨組みは撤去することはできませんので、骨組みの位置によっては食洗機の大きさや位置に制限が生じる場合があります。