
設備機器
キッチンの換気扇の種類と取り付け方
公開日:2018年12月18日

キッチンのプランを考える中で、換気扇に重きを置かれる方も多いのではないでしょうか。最近では、換気の性能やデザイン、また清掃性などにこだわった商品が多く出ています。また、キッチンリフォームはまだでも、換気扇のみ取り替えたいという方も多いと思います。そこで今回は、キッチンの換気扇の種類とその特徴をご紹介します。換気扇を選ぶ基準にしてください。
キッチン換気扇のファンの種類
キッチンの換気扇はファンの種類とフードの形で分けられます。まずはファンの種類から見ていきましょう。ファンの種類は主に以下の3つです。
プロペラファン
プロペラファンは直接排気式で、プロペラによって屋外に直接汚染された空気を排出します。静圧が低く、排気量が求められる場所に適しており、戸建てなど屋外に直接排気できる場合に使用されます。
シロッコファン
シロッコファンはダクト式で、汚染された空気を天井裏などに設備されたダクトを通して屋外へ排出します。静圧の高い場所でも安定して排気できるため、気密性の高い場所にも適しています。また、ダクトによって排出するため方向性に自由度があり、直接屋外に排気できないマンションや、アイランドキッチン、また最近では戸建ての住宅にも多く使用されています。
ターボファン
ターボファンはプロペラファン、シロッコファンの中間的なものであり、直接排気でもダクトを通してでも排気することが可能です。風量が多いため、風量や効率を求められる場所で使用されます。プロペラファンに比べると音が静かで掃除性も高いです。
キッチン換気扇のフードの種類
ファンの種類により、取り付けられる場所や性能が違い、使用される場所が異なることが分かって頂けたと思います。次にフードの形について見ていきましょう。キッチンで使われるフードの形は主に以下の4つになります。
フードの形状は見た目に大きく影響します。また、清掃性も異なるので、外観や清掃性を考慮して選ぶと良いでしょう。
ブーツ型(深型)
ブーツ型はその名の通り靴のブーツのような形をしています。プロペラファンのフードやシロッコファンのフードに使用されています。フードにフィルターを引っ掛ける部分があり、そこで油をキャッチしています。そのため、フードの内側には油汚れがつきやすくお掃除が大変です。築年数の高い住宅にはこちらのフードが用いられていることが多く、壁に固定して取り付けています。
スリム型(平型)
スリムな形になっており、基本的にシロッコファンで使用されます。スタイリッシュでスッキリした印象のため、最近主流になって来ています。また、フィルターの前に整流板があり、そこに油汚れがつきやすいですが、拭き掃除ができるため比較的お掃除は楽と言えます。壁付けの他にも天井付けのタイプもあります。
フラット型(浅型)
天井が低い場所や梁がある場合など、大きい換気扇が設置出来ない場合に使用されます。シロッコファンやターボファンであることが多いです。こちらも整流板があるため、比較的清掃性は高いです。
ファルコン型
曲線で換気扇本体が設計されているのが特徴です。基本的にはシロッコファンであることが多いです。また、換気扇本体が低い位置で設置されているため、お掃除の手入れは楽にできます。
プロペラファンのメリット・デメリット
昔から使われているプロペラファンの換気扇。どんなメリットやデメリットがあるのか見ていきましょう。
メリット
換気量が大きい
プロペラファンは風量が大きく、換気量が大きいのが特徴です。しかし静圧が低いため、気密性の高い空間では安定した換気は望めません。
価格が安い
プロペラファンはとにかく安価です。壊れてしまっても負担なく取り替えることができます。
デメリット
取り付け場所が限られる
プロペラファンは直接屋外に排気するため、取り付け場所が屋外へ接している必要があります。そのためマンションなどでは有効な場所に取り付けることが難しいです。
掃除が大変
プロペラの起こす風力によって排気するため、プロペラに油汚れがつきやすく、形状も複雑なためお掃除が大変です。換気扇の掃除が一番大変という方も多いのではないでしょうか。
シロッコファンのメリット・デメリット
最近主流になって来たシロッコファンの換気扇。プロペラファン同様にメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
一定の排気量が確保できる
静圧の低い場所ではプロペラファンに劣りますが、静圧の高い、気密性の高い場所でも安定した換気ができます。
設置場所に制限がない
ダクトを繋げて排気を行うため、天井裏にスペースがあれば取り付けることができます。また、スリム型では壁付けだけでなく、天井に取り付けられる商品もあるため、アイランドキッチンなどにも使用可能です。
掃除が楽にできる(スリム型の場合)
スリム型の場合、ファルターがない商品があったり、ファンを簡単に取り外せるものが多く発売されています。清掃性を重視するのであれば、スリム型を選ぶことをオススメします。
デメリット
換気量が少し少ない
静圧を受けない状態の場合、換気量はプロペラファンに劣ります。しかし、家庭での使用には問題ありません。
価格が高い
プロペラファンに比べると価格が高いです。プロペラファンが3万〜5万で交換できるのに対し、シロッコファンは10万円ほどかかるものがほとんどです。
シロッコファンの取り付け方の種類
プロペラファンの換気扇は壁に取り付けているのが通常ですが、シロッコファンの換気扇は取り付け方がいくつかあります。こちらではシロッコファンの換気扇に関しての取り付け方の種類を紹介していきたいと思います。換気扇の取り付け方の種類は以下の3つになります。
壁付け
機器の正面の壁に固定し、取り付けるタイプです。一般的な家庭で使われる、壁付けのキッチンにはこちらの取り付け方で換気扇が付いているのがほとんどだと思います。
横壁付け
正面の壁ではなく、横の壁に固定して取り付けるタイプです。対面キッチンの換気扇として用いられることが多いです。横壁に取り付けることで、正面に壁が必要と無くなるので、圧迫感の少ないキッチンにすることができます。
天井付け
天井に機器を固定し、取り付けるタイプです。天井に取り付けるため、レイアウトに自由性があり、アイランドキッチンに使用されることが多いです。
プロペラファンからシロッコファンへの交換方法と費用
シロッコファンの換気扇であれば、既存の付け方を確認し、同じタイプを選べば、簡単に交換することができます。また、形状をブーツ型から平型へと変更することも可能です。
ここでは、最近リフォームとして多くなっている、プロペラファンの換気扇から、シロッコファンの換気扇へ変更する方法とその費用について紹介していきたいと思います。
交換方法
プロペラファンからシロッコファンの換気扇への交換方法は以下の流れになります。
(1)プロペラファンの本体ごと撤去する。
(2)プロペラファン用の開口があるので、そこにダクト用変換部材を取り付ける。
(3)シロッコファンの換気扇本体を取り付ける
以上となります。変換用部材を使えば、簡単に取り替えることが可能です。しかしこの方法は、平型タイプへ変更すること、壁付けタイプであること、が条件となりますので、専門業者にしっかりと確認をとってみてください。
交換する費用
プロペラファンからシロッコファンへ交換する費用は、上の工事方法の場合、
工事費用:約2万円
商品費用:8万円から15万円ほど
商品の機能性によって、値段は大きく変わりますが一般的なものであれば、約10万円で交換可能です。最近ではシロッコファンの換気扇が主流になって来ているので、壊れてしまった機会に交換するのも良いかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。キッチンの換気扇の種類やその取り付け方法が分かっていただけたと思います。換気扇の交換を検討される際には、ご自宅の換気扇の状態を確認し、その場所にあった、満足のいく商品が取り付けられるとキッチンに立つのも楽しくなるでしょう。