キッチン・台所リフォームのノウハウ

設備機器

レンジフードの選び方

ガスコンロやIHクッキングヒーターなどの上部に取り付けられた排気設備をレンジフードといいます。レンジ(コンロなどの加熱調理器具)とフード(空気抜き)を合わせた言葉です。

調理中に出る煙や臭い、蒸気などを効率よく排気し、キッチンの空間を快適に保つ役割があります。形状・高さ、排気の方法、換気ファンなど、様々な種類があるので、それぞれしっかりと押さえておきましょう。

レンジフードの形状とタイプ

フードの形状には種類があり、スタンダードなブーツ型やスリム型、曲線の形をしたファルコン型、天井が低い事でフードの高さが確保できない場合などはフラット型といった形状があります。
壁付けタイプや、天井付けタイプ、横壁付けタイプなど設置する場所によってもタイプが分かれています。

また、キッチンのスタイルによって合うレンジフードが変わります。
例えば、対面キッチンやI型のペニンシュラ型キッチンであれば、横壁付けタイプのフードを選びます。アイランド型キッチンであれば天井付けタイプのフードを選びます。

レンジフードを設置する高さ

レンジフードの高さは、意外と見落としがちなポイントです。設置した後で高さが気になることがないように、事前に高さ、幅を測ってから適した高さを選ぶことが大切です。

レンジフードを設置する時には消防法によって、キッチンコンロのトップからレンジフードの高さが80cm以上離すことが義務づけられています。レンジフードの幅は60cm、75cm、90cmの3種類のサイズがあり、コンロの幅よりも大きめのサイズで覆われているものを選ぶ必要があります。
このことを基準にして、キッチンを使う人の身長や、キッチンのスタイル、加熱機器の種類も考慮してレンジフードを設置する高さを決めましょう。

レンジフードの長所と短所

長所

  • コンロに覆いかぶさるように設置されているため、臭いや煙を排気する能力が高い
  • 丸ごと洗わなければならない換気扇とは違い、フィルターが付いているレンジフードは、そのフィルターをはずして洗うことが可能なので、ファンも汚れにくく、手入れが簡単
  • 調理している手元を照らす照明機能がつき、より安全に作業が可能
  • フードから風を送り、空気のカーテンを作ることが出来る機能があり、部屋に調理の臭いや煙を広がりにくくできる(アイランド型などのオープンキッチン向き)
  • 加熱調理機と連動して自動的に換気する機能があり、ファンの消し忘れがなくなり、節約になる

短所

  • 長期間使用していると、奥のダクトやファンが油で汚れ、換気機能も低下する
  • 日々の掃除は楽なかわりに1年に1回の目安で、レンジフード内も掃除が必要となる
  • 複雑な構造なため、素人では掃除が難しい場合があり、クリーニング費用がかかる場合がある

換気ファンは主に3種類ある

レンジフードの内部に取り付けられている換気ファンとしては主に3種類(プロペラファン、シロッコファン、ターボファン)あります。換気ファンの種類によって、風量や静音性などが異なります。各換気ファンの特徴を紹介します。

プロペラファン

プロペラファンとは、扇風機のような羽根の形をしており、風量が大きい事が特徴です。プロペラファンは、換気扇が外壁に設置可能な場合(主に戸建て住宅)に取り付けが可能で、家の外に直接排気する仕組みになります。取り付けが簡単で、費用も比較的安価になります。

しかし、空気を送りだす力が弱い点や、風量が大きくなればなるほどファンの回転音が大きくなり、騒音が気になるのが欠点です。

シロッコファン

壁や天井などに、ダクト(管)を設置し、ダクトを通して煙などを排気口まで誘導する仕組みに適したのがシロッコファンです。多数の羽根が狭い間隔で羽根車についている形状をしており、風量の大きさではプロペラファンに劣りますが、騒音が小さく、風を送り出す力も強いため外部からの影響を受けにくいといった特徴があります。マンションなど高層の建物に多くみられ、壁から離れた位置でも取り付ける事が可能です。

また、シロッコファンへリフォームする際はダクトの配管工事費用で想定しておきましょう。

ターボファン

シロッコファンと羽根車は似ていますが、幅の広い羽根が数枚、後ろ向きについた形状をしているのがターボファンです。

プロペラファンとシロッコファンの中間の性能を持っています。換気の効率が良く、騒音は多少あるものの、プロペラファンよりも空気を送り出す力は高く、手入れがしやすいことが特徴です。