
リフォームポイント
洗面所の床材・壁材の選び方
公開日:2015年08月13日
洗面台まわりはもちろんのこと、特に脱衣所の床や壁は水滴などの水分が付着する頻度が高く、非常に傷みやすい箇所です。床は腐りやすく、天井や壁にはカビが生えやすいため、水に強い床材・壁材が求められます。
水まわりに適しているものとして挙げられるのは、複合フローリング・クッションフロア・タイル・コルクタイルなどの床材です。常に湿気のある場所であるため、壁材には機能性建材や防カビ用塗料、あるいは珪藻土などの湿気に強い壁材が適しています。
洗面所に適した床材の種類
複合フローリング
フローリングは、主にむく材と複合(複層)の2種類です。むく材のフローリングは単層フローリングとも呼ばれます。単層フローリングは天然木を一枚の板にしたもの、複合フローリングは複数の板を合わせ、表面に天然木の薄い板を張り付けたものです。
単層フローリングは、水分がしみ込みやすく、そのままでは水まわりの床に不向きです。それに対して複合フローリングは、水に強く汚れにくい、傷も付きにくいと言う特徴を持っています。たとえば、洗剤や漂白剤にも強いため、トイレや脱衣所などで多く利用されています。
クッションフロア
クッションフロアとは、塩化ビニールで造られたシート状の床材のことです。CFシートとも呼ばれています。耐水性に優れ汚れも付きにくいため、洗面・脱衣所に適した床材です。弾力性も高く、足が疲れにくいと言うメリットがあります。
クッション性は好みが分かれるようです。また、素材・施工技術の質が良くない場合、滑り易くなったり剥がれてしまったりといったケースもあるので注意しましょう。
タイル

タイルは、耐水性・耐久性に優れ、汚れがついても落としやすい素材です。床で用いるのはもちろん、外装用・内装用でさまざまな素材や大きさのものがあります。たとえば、Pタイルというプラスチック製のタイルがありますが、耐久性の高さはもちろん摩耗や薬品にも強いのが特徴です。
タイルは丈夫でお手入れが簡単な素材ではありますが、滑りやすいことや冬場の足触りが冷たいことが欠点として挙げられます。また、目地の汚れは落としにくいため、目地の部分をなるべく少なくするといった工夫も必要です。
コルクタイル
コルク樫の樹皮を細かくし、圧縮してタイル状に加工した床材のことをコルクタイルといいます。耐久性・遮音性・吸音性・断熱性において優れています。適度な弾力があり、転倒した際などには衝撃を緩和することができます。
コルクは表面を加工することで、耐水性・耐汚れ性の効果を持たせることができるため、洗面や脱衣所の床材としても利用されています。
洗面所に適した壁材の種類
珪藻土
珪藻土とは1000年ほど前のプランクトン「珪藻」の死骸が泥と一緒に沈殿し、海底などに積み重なって化石化したものです。この天然の土に混和剤を加えることで、壁剤としての珪藻土が作られます。
珪藻土には、湿度をコントロールする機能があり、室内を常に60%ほどの湿度に保ちます。さらにアンモニアやタバコなどの臭いを吸着し、分解する力もあります。そのほかにも、断熱性・吸音性にも優れ、非常に優秀な壁材として注目されています。
その反面、汚れに弱く掃除がしにくいこと、ひび割れや欠けが起こりやすいことなど、自然素材ならではの欠点もあります。
調湿機能のある壁材
各メーカーから、調湿機能を施した壁材がでています。タイル壁タイプの壁材が主流となっており、原料や製造方法は異なるものの、一様に調湿効果と併せて防臭効果にも期待が持てます。
製品によって吸水性やその他の機能に違いがあるので、用途や好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
塗料や壁紙の活用
防臭・防カビ効果のある壁紙や塗料で壁や天井を仕上げる、あるいは調湿効果のある壁紙を利用するという方法も有効です。ただし、防カビ剤の中には効果の持続性が低いもの、カビの種類によっては効果がないもの、人体に影響を及ぼすものなどがあるため、使用する防カビ剤の選定には注意が必要です。
壁紙ではそれほど高い調湿効果は期待できません。あくまで補助的な役割として考えておきましょう。