
リフォーム現地調査の流れと要点を把握しよう
公開日:2015年11月17日
リフォームの工事を実施するにあたり現地調査が必要となりますが、その際、会社側は住宅の現況を調査して把握すると同時に、施主の要望を加味した上で、プランニングや正式な見積書を作成します。
現地調査は、満足がいくリフォームを行うための大切なプロセスのひとつであり、お互いに意味のあるものにしなくてはなりません。

下記の流れに沿って、リフォームの現地調査における要点・希望の伝え方をお教えします。
1、複数のリフォーム会社に依頼する
リフォーム会社から適切な工事内容や工事費用の提案を得るためには、複数の会社のプランを比較検討する事が有効です。ただし、比較するリフォーム会社が多すぎると1社ごとの検討がおろそかになる場合があるので、3社~6社程度に絞り込みましょう。
2、各リフォーム会社へは同じリフォーム条件で依頼する
各リフォーム会社へは、希望・要望、工事範囲、予算、設計図書類などの条件を、同じ内容で依頼します。理由として、同条件を元にしたプラン作成・見積もりを依頼しないと、各リフォーム会社間での比較検討が難しくなるからです。
ここで、リフォーム条件を伝える際のポイントをご紹介します。
希望・要望は書面にまとめて伝える
現地調査の際に口頭で伝える事ももちろん必要ですが、口頭だけでは後に曖昧になる可能性があるので、書面にしてリフォーム会社に渡すと確実に伝わります。また、言った言わないのトラブルも回避できます。リフォームに対する希望や要望等は詳しく伝えるべきですが、テーマ・項目別にまとめたり、箇条書きにしたりして整理しておくとリフォーム会社へ伝えやすくなります。
予算は実際に考えている額を伝える
予算として考えている金額をリフォーム会社へ伝えます。ここでは概算でも良いですが、会社側はこの予算を見積作成に関する重要な参考とするので、実際に想定している金額を伝えます。ただし、施工開始後に追加工事が発生するなど、当初の見積金額以外の費用が生じるケースもあるので、実際の予算額の10~20%程度低めを伝えるようにします。
設計図書類を見せる
住宅の設計図面、建築図面など参考になる図面があれば、用意しておきましょう。
3、相見積もりの旨を事前に伝えておく
リフォーム会社に対しては、相見積もりの旨を説明した上で現地調査・見積もり作成の依頼を行います。相見積もりはごく一般的な事なので、遠慮する必要も、申し訳なく感じる必要もありません。良い意味で会社同士の競争原理が働き、安価になる場合もあります。ただし、とにかく安くしたい一心で各リフォーム会社の競争を煽るなど、工事仕様・グレードを考えずに、単に安価な見積もり額を引き出そうとする行為はNGです。
4、現地調査のスケジュールを把握する
現地調査は、単に家を見て回るだけではなく写真撮影や打合せも行われます。リフォームの要望次第によっては天井裏や床下といった箇所を点検する必要もあるので、ある程度の時間を要します。
具体的な所要時間はリフォームを行う範囲や工事の内容によって異なってきますが、1~2時間程度は見ておきましょう。1社当たりに要する時間が2時間であると仮定した場合、1日に何度も同じ内容を説明するのは面倒です。1日当たりに行える現地調査は、予定を詰め込んでも3社程度でしょう。
複数のリフォーム会社が現地調査に来ますが、同時間帯に調査を依頼してはいけません。この段階でリフォーム会社同士が顔を合わせる事は好ましくありません。施主としても1社ごとに対してしっかりとした対処ができなくなる可能性があります。
調査の実施に適した時間帯については、基本的には日中が好ましいです(屋根や外壁に関する調査などは、日没後には充分に行えないことがある)。日光が重要点となるリフォームの現地調査についても、その実施時間帯にはよく注意してください。
5、担当者に付き添って案内・説明する
施主はリフォーム会社に付き添って自宅の案内を行い、現況の不満点や要望点をしっかりと伝えるようにします。リフォーム会社に自由に見てもらう場合、施主側が重要だと思うポイントをリフォーム会社が見落としてしまう可能性があるからです。実際にその場で説明をしたほうがリフォーム会社側としても理解しやすく、施主側も質問しやすいからです。
たとえば、子供部屋のリフォームを予定している場合、同行して案内を行った際に、「現在のクロスでは部屋が暗く感じるので明るい雰囲気のクロスに替えたい」、「この箇所にクローゼットを設けたい」、「床のこの辺りが軋むので改善したい」といったように、一緒に現場を見ながら説明を行うようにするとよいでしょう。
6、リフォーム会社の担当者を観察する
現場調査において、リフォーム会社がどのような言動や態度を取るのか観察を行い、リフォーム会社を選ぶ判断材料とします。具体的には、こちらが要望した事柄に対してどのような反応を取るか、その場で提案をしてもらえるか、施主側が気付いていなかった点を示してアドバイスをしてくれるか、質問に対してどのような回答をするのか、といった事が想定されます。
担当者の言動や態度からは、リフォーム会社と担当の仕事に対する誠実さ、人間性などについても見る事ができます。
7、見積書の提出時期を確認する
リフォーム会社の見積書の提出時期について会社側と打合せをしておきます。施主が提出期限について要望を持っている場合もありますが、基本的には、リフォーム会社の都合を考慮して決める事となります。
増改築を伴うリフォームをはじめ、大規模な工事になるほど見積書の作成には手間が掛かる事をあらかじめ理解しておきましょう。なお、見積書の書式や添付書類・資料等の有無についても把握して、できる限り各社が同種類の書類を提出する事が理想です。