
ローンの金利タイプを知ろう
公開日:2015年11月16日
大きなお金を借りる際には、担保の有無によって金利が大きく異なります。一般的に有担保の場合は低金利に、無担保の場合は高金利になります。
また、設定されているローン金利のタイプによって金利は細かく変動します。

ローン金利には大きく下記3種類が挙げられます。各ローン金利のタイプと仕組みについて紹介します。
変動金利型
変動金利型の特色は、市場金利(短期プライムレート)に連動して、ローン金利が変動する点です。変動金利型の金利は年に2回、毎月の返済額は5年ごとに見直されます。
メリット
変動金利型のメリットは市場金利が低ければそれに伴って組んだローンの金利も低くなるという点です。市場金利が低いタイミングでローンを組む場合には、固定金利型と比べ100万円単位で返済額が低くなることがあります。
デメリット
変動金利型のデメリットは、「ローンの組み始めは低金利だったが、市場金利が上昇してしまったために返済額が高くなった」という場合があることです。
また、もう一つのリスクとして「未払い利息」があります。変動金利型の場合、5年間支払金額が変わりません。その5年の間に金利が上昇すると、場合によっては金利が返済額を超えてしまうことがあります。元金の返済が進まない上に、毎月の金利も払いきれないという事態が生じます。
このように市場金利が大きく上昇してしまった場合の対策として、元利均等返済方式が採用されています。この方式により、「金利が高くなった場合の返済額は、前回の返済金額の1.25倍まで」と上限を定めることができます。たとえば、変更前の返済額(金利含む)が100,000円なら、変更後の返済額は125,000円以内となり、極端に返済額が増えないようになっています。
変動金利型の利用に適したケース
変動金利型は支払い額が増えてしまうかもしれないというリスクがあるため、使いこなすには少し難しいかもしれませんが、下記のようなケースには適した金利タイプだといえます。
- 借り入れ金額が少ない
- ローン返済に余裕があり、繰り上げ返済が可能である
- 短期間(15年以内)で完済することができる
- 金利の動向をしっかり把握して金利上昇時にしっかり対応できる
全期間固定金利型
全期間固定金利型は長期固定金利型とも呼ばれます。特徴は金利と毎月の返済額が、完済するまで同じ額であることです。
メリット
全期間固定金利型のメリットは、市場金利の上昇によってローンの金利が上がる心配がないことです。また、借入時に全ての返済額が決まるため、返済計画が途中で変動することがなく、今後の生活プランや家計の管理がしやすいという点も挙げられます。
デメリット
全期間固定金利型のデメリットは、市場金利が低下しても返済額が変わらないことです。また、一般的に変動金利型と比較して借入時の金利が高くなります。
全期間固定金利型の利用に適したケース
全期間固定金利型は多少返済額が高くなっても、安定した返済を重要視する人に向いているといえます。下記項目のようなケースでは、全期間固定金利型の利用が適していると考えられます。
- 返済期間を25年以上に設定している
- 将来の収入ダウンが心配
- 金利変動への対応が難しい
- 返済額が変わらないという安心が欲しい
固定金利選択型
固定金利選択型とは、指定した期間(例:1年・2年・3年・5年・7年・10年)の金利と毎月の返済額が一定になる返済方式のことです。
メリット
固定金利選択型のメリットは、一定の期間、金利と毎月の返済額が確定することです。金利が低いタイミングで確定できれば、返済額を抑えることも可能です。また、固定金利選択期間終了後に、もう一度固定金利か変動金利を選ぶことができます。
デメリット
固定金利選択型のデメリットは、一番最初に借り入れた時点では返済金額が確定しないことや、固定金利選択期間中に金利が低下しても、その期間が終了するまでは金利タイプの変更できないことです。また、固定金利選択期間中に繰上げ返済をする場合は、変動金利型よりも手数料が高めに設定されていることもあり、お金に余裕があるから多めに返そうという時には不利になります。
さらに、この金利タイプの注意点は、変動金利型への変更時に元利均等返済方式が適用されないということです。固定金利選択期間が終了後、もう一度毎月の返済額を見直すこととなりますが、その際元利均等返済方式が適用されないために市場金利の動向に大きく左右されます。場合によっては大きく金利が変わり、一気に返済額が膨らんでしまう可能性もあります。
固定金利選択型は一件のローンに対して金利タイプを定期的に変更できるという利点を持ちながらも、多くの制約があり仕組みをしっかり理解する必要があるでしょう。固定金利選択型をうまく利用するには、固定金利期間が終了した後、返済額が変動することに対応できるかにかかっています。
固定金利選択型の利用に適したケース
固定金利選択型の利用に適したケースとしては、下記項目が挙げられます。
- 教育費など一時的に負担が大きくなる時期に金利変動のリスクを回避したい
- 固定金利期間の間に繰り上げ返済の資金を貯められる
- 住宅ローンとは別のローン(車のローンなど)が払い終われば、家計に余裕ができる