
リフォームor建て替えかの判断ポイント
公開日:2015年11月18日
一戸建て住宅が古いなどで大幅に変えたい場合、リフォームと建て替え、どちらにするかの判断が必要です。どちらにもメリットやデメリットがあるのでご紹介します。また、希望の工事が可能かどうかも重要な判断ポイントとなりますので抑えておきましょう。

判断材料となるポイント
使える部分がどれだけ残っているか
一戸建て住宅においては、基礎・土台・柱・梁・壁・床・屋根の他、様々な部位から構成されていますが、使える部分に関して検証を行い、使える部分が多く残っているのならば、建て替えではなく補修やリフォームであっても、充分に住空間づくりが実現する見込みがあります。
ちなみに、丁寧な作業にて建築されており、高品質の材料が用いられている住宅においては、相応の築年数であっても、充分使用に耐えられる部位が多い可能性があります。
ただし、使える部分を残して大規模なリフォームを実施する場合、かなりの補修費用を要する場合があり、特に基礎や構造を直接担う部位に関しては、劣化・傷み具合に応じて多額の補修費用がかかる事もあります。
法律・条例上、増築が可能なのか
建て増しを含むリフォームを行う場合は、「増築リフォーム」となりますが、住宅の床面積を増やす事に関しては、地域・土地ごとに、建築基準法や地域条例等によって規制がなされており、その住宅の立地場所によっては、増築ができない場合があります。
従いまして、建て増しを希望する場合には、まずは、法や条例を調べて実施可能な地域なのか確認を行う事となります。既に工務店やリフォーム会社等に相談をしている場合には、業者に確認を依頼するのも良いでしょう。
なお、分譲マンションにおいては管理規約によっても規定されており、その規定に応じた計画を立案する事となります。
耐震基準に着目する
建て替え・リフォームの双方いずれも、実施するのであれば、耐震性能の高い住宅にすべきなのですが、とりわけ1981年以前に建てられた住宅は、いわゆる旧耐震基準にて設計・建築されており、現代の耐震基準を満たすための構造的な工事を行うと、多額の補修費用が発生する可能性が極めて高いとされています。
従って、旧耐震基準の住宅においては、コスト的に建て替えの方がメリットである可能性があります。
リフォームと建て替えに関するメリットとデメリット
リフォームについて
一般的に、リフォームは低コストで工期が短く仮住まいの手間が省けるメリットがありますが、その反面、強度面に不安が生じる、設計の自由度が制限されるといったデメリットが考えられます。具体的には以下の通りです。
メリット
- 建て替えと比べてコストを抑えられる可能性が高い。
- 予算に応じた工事が行いやすい。
- 工期が短く、工期中に仮住まい(一時引越し)を行う必要性が低い。
- 新築ではないので、諸税が軽減可能。
- 住み慣れた住宅に、引き続き住む事ができる。
デメリット
- 主要構造を残す場合、強度において不安な面がある。
- 耐震工事に多額のコストを要する場合がある。
- 大幅に既存構造を残す場合、間取り等の設計の自由度に制限が生じる。
- 解体工事を伴う大規模なりフォームは、工期が長引く可能性がある。
建て替え
また建て替えには、設計の自由度が高い、耐震面・構造面等における安全安心性が高いといったメリットがあり、その一方で、諸税支払いや仮住まいを含めてコストが高額、工期が長くなる等のデメリットがあります。具体的には以下の通りです。
メリット
- 設計の自由度が高いため、かなりの要望が実現する。
- 地盤から抜本的な耐震工事を施すため、高い強度が得られる。
- 建築完了検査の検査済証(建築基準法適合)が得られるので安全・安心度が高い。
- 金融機関から多額融資が受けられやすい。
デメリット
- 新築なのでコストが高額。
- 工期がリフォームよりも長くなる可能性が高い。
- 新築なので新たな不動産取得に関する諸税がかかる。
- 仮住まい(一時引越し)が必要でありコスト・手間・ストレスがかかる。